縷々

星になりたかった。

スターライト

 生きることに嫌気がさして、部屋の中で膝を抱えても。

 無情にも日々はやってくるし、僕を気にせず置いていく。

 僕の心なんて知らず無造作に、青い空模様だって窓外に広がっている。

 並んでいる笑顔を見て嫉妬して、自分にはないものを持っている人を羨ましがって、劣等感を抱いて。物事を卑屈に考えて、他人に嫌悪しながら、胸倉をつかんで苦しんでいても、それだって世界から言ってしまえば勝手に苦しんでいるだけで。

 弱くてもろい僕の心は、壊れた破片を僕に踏ませて足取りを重くしようとさせる。

 心の破片を踏んだ僕の足に向かってさらに踏みつけるように、嫌な出来事というものは重なって。世の中の不条理、理不尽に嘆いても、大きな存在がそれは「そういうもの」だと言い聞かせてくるのだ。

 間違っているのは僕。正しかろうが間違っていようが、人間として従わなくてはならないのが「社会」という枠組みで。だから、社会に適応できない僕は蔑視される気分になる。

 でもそれも「勝手」。僕が1人で苦しんでいるだけなのだ。

 歩き疲れて、これ以上の情報を僕の心に与えたくなくて、数週間、社会と隔絶して生活したけれど、やはり結局、そのまま腐ることはできなくて、玄関の扉を開ける。

 その先には当然、隔絶した期間の負債が待っていたけれど、なぜかそこまで僕の心は影響されなかった。

 そのあとも、そのあとも、心が海面に潜っているかのように、周囲の事象がフィクションにしか聞こえなくなっていた。

 怖いくらいに、けれど実際怖いとは思わずに、僕の心は深く落ち着いていた。

 代わりに感動も薄れたけれど、過度な負荷もかからなくなった。

 生きる理由はなくて、将来の夢もなくて。かといって死ぬ理由もないから死にきれなくて、何のために呼吸しているのか、理由がないままのこの背中にも、いずれはなにかがのっかってくるのだと思う。

 お医者さんは言った。薬を飲めば楽になると。

 友達は逝った。生きることが、死よりも苦痛になってしまったから。

 彼女は云った。ため息はつかないよね、と。

 歩いて疲れて、自棄になり鬱になって、手首を切って拒食になっても僕は、いきることにまいっていない。

 残り何年生きるのかはわからないけれど、僕がどれぐらい生きてきたのかはわかっている。

 せっかく、ここまでの年数を生きたのだから、その最後を自ら綴じてしまうのは、もったいないじゃあないか。

 もう少しだけ頑張ってみよう。もしかしたら、僕が生きる理由を、心が幸せになる希望が存在しているかもしれない。何度も裏切られた希望に、それでもちっぽけな期待を握りしめて。

 いつも、今日よりも良い一日である明日を夢見るから。

 今日が最悪な日でも、明日は最良な日であるかもしれないから。

 そんな僕の心意気を踏みにじってくる「ソレ」に立ち向かう勇気を、今は持てれたらいいな。

youtu.be

 隠れている、ぼくと同じ「心意気」の人たちを。

 いてくれているだろう、ぼくと同じく「戦っている」人たちを。

 どこかにいる、ぼくと同じように「傷ついた」人たちを想像しながら、眠気眼なのか泣きはらした後なのかもわからない目をこすって起き上がり、何度も手を緩めた、しかし離したことはない手綱を握りなおす。

youtu.be

 フィクションのように映る僕のノンフィクションを、いつかメタフィクションのように誰かに語ることができたら最高だ。

 スターライトが、僕の青髪を緑色に変色させる。

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