でんちゅうの雑食浪漫譚

田中と書いて"でんちゅう"と読む男が、好きなように書いてます。ある時は日記、ある時はレビュー、ある時は感想とちぐはぐなブログです。いつかミステリアスな人と思われたい。

いつか自分が理不尽になる恐怖

 

「かつや 店」の画像検索結果

 飲食店で今日も平常通り仕事をしていたのだけれど、ホールから何やらお客さんの怒声が聞こえる。一週間に何回かはこういうことがあるので、まずはこちらの不手際か否かを見極めなくては、と思い声の発生源に向かう。

 すると予想通り、新人の子が困惑顔で何度も謝り、その前でお客さんが叱責している図だった。

 内容を聞いてみると、注文をした商品がまだ運ばれていないとのこと。

 うちの店は注文を受けてから六分以内に提供するルールで、また自分が厨房の人間だということもあって、自分が注文票を見逃したのかと焦り、急いで厨房に戻った。

 そして注文票を見比べる。かならず注文票は、注文が入るとその瞬間打刻される。

 問題のお客さんの注文票の打刻時間を見ると、「22:11」と打刻されていた。時計を確認すると「22:13」。フライヤーを見ると、まだ肉が揚がりきっていない。

 生肉のまま提供するわけにもいかず、またどう考えても「おまたせ」の状態でもないので、仕方なくお客さんの所へ戻る。

 調理するのに大体4分から5分いただくことと、生肉の状態で提供することができないので、もう少々お待ちいただけないか聞く。

 自分のその言葉を聞いてお客さんはとうとうブチ切れてしまい、「5分!?馬鹿じゃねーの!?」と叫んで店を去ろうとした。

 どうしようもなかったので、「まことにもうしわけございません」といって見送った。

 てっきりそのままお客さんは店の扉を開けて去るのかと思っていたけれど、扉のノブをつかもうとして踵を返し、店に戻ってきた。

「なんの説明もなしに客を帰らせるのか!」

 と怒鳴った。

 ほかのお客さんもいるし、食事の場としても迷惑になるので早急な対処をしなくては、と「もうしわけございません、あと2分ほどで調理の方が完了しますので、それまでお待ちいただければすぐに提供できますが・・・」

 と自分でも引くぐらいの下手喋りで言うと、そのお客さんはさらにごうごうと

「さっき作るのに5分つってたじゃねえか! なんで2分でできるんだよ!早く出せるんだろうが! 客を馬鹿にするのも大概にしろ」

 とおっしゃりました。

 さすがにあなたと口論している間に何分かたってるから、もうすこしで提供できるんですよ。とはとても言えないので、「もうしわけございません」の一点張りしかできず、結局そのお客さんは騒々しく扉の音を立てて帰りました。

 翌日、そのお客さんは律義にうちの店のフリーフォームに抗議のメールを送ってきました。内容は昨日と同じで、私は憤慨した、みたいな感じでした。

 結果、上層部に怒られるは店長に怒られるはで散々な感じに。

 とても今回の出来事に対し自分をフォローする言葉が思いうかばらず、理不尽だ理不尽だ、と毒づきながら今もキーボードをたたいています。

 いつだったか、とある番組で中年の悩み、というテーマのトーク番組を見ました。

 その中で、一人の中年のお方が「言いたくなくても理不尽な文句を言ってしまう」と発言し、ほかの中年の方々も「そう、それそれ」と共感していました。

 その映像を見て、自分がいずれ三十代、四十代となるにつれあぁなってしまうのかもしれない。そんな恐怖を感じました。

 だからなるべく、この「憤り」を忘れずに今と将来を、精進して生きていきたい。